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第80回 (2007/8/24発行)

 『 三方よしに学ぶ周りを生かす生き様・働き様! 』

  = 自分の視点(自社の都合)だけで、ものごとを判断していませんか?  =


 1 - こんな出来事が!


先日、ある商工会議所の経営指導員の方と、

お話をさせていただいた。

数多く現場を回る中からの体験談には迫力がある。


経営者や組織のリーダーの方々と日々接している者同士、

様々な意見交換で盛り上がった。


その中でも、「金儲け」と「商売」の話が印象に残った。

それは、人を束ねる経営者があまりにも「金儲け」に走りすぎ、

本来の「商売」をしていないのではないかというものであった。


これは昨今、マスコミに取り上げられる企業不祥事の

根底に巣くっている自分都合・自社都合優先の考えにも

通ずるものである。

まさに危惧している一つだ。外見は顧客第一と謳いながらも、

 

その実は自社の売り上げ達成や、金儲けのためなら

何でもするといった考えがはびこっている経営者を目にするのは、

実にさみしいことである。


企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)

求められるのは、単に大企業ばかりではない。

それは規模の大小にまったく関わりないということだ。


「自社の発展(自己)と社会貢献(他者)のバランスが

崩れていることに歯止めが不可欠」という点では、

まったく同感である。

 

 2 - 私の想い


この話の中で蘇ってきたのは、


  「儲けるは欲、儲かるは道」


という言葉だった。


儲けよう儲けようとするのは、意外と自分の欲から出ているものだ。


対極としてお客様のことを一生懸命考え行動した結果が

儲かるということであり、それが商売人の道である。


我欲からでたものは必ずお客様が見破り、

本当の意味の儲けを生み出すことはできないという教えだ。


また、「商売は笑売」という言葉も頭に浮かんできた。

商売とは本来面白いものであり、飽きない(商い)ものである。

お客様と共に笑顔が生まれるような売り方でないといずれは、


淘汰され「勝売」にはつながらないという考えだ。

 

 3 - 日々への影響

 

金儲けと商売の違いという対話の中で、

その後も様々な角度から見つめ直したことがあった。


それは、商売を行う人(つまり、商人)の「ものの見方・考え方」の

原点についてだ。


商人と言えば、近江商人、関西商人、甲州商人、江州商人、

五個荘商人等々、人によって色々な商人のイメージがある。


私のこころの中に広がったのは、


  「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」


で有名な近江商人であった。


現代に繁栄のバトンを繋いでいる企業も、高島屋、伊藤忠、丸紅、

ふとんの西川産業等々、決して少なくない。 


二十年近くも前、関西在住だった私。


三方よしの原点である滋賀県の現地に足を運んだ。


三方よしの近江商人の考え方が最初に記録に現れてくるのは、

中村治兵衛が子孫に残した家訓に見てとれる。


私にとってその懐かしい文章 ―― 

  「他国へ行商するもの総て我事のみと思はず、

   其の国一切の人を大切にして、私利を貪ること勿れ」


にも再度巡り会えたのである。


江戸幕府の管理の下、藩を超えた往来が制限されていた当時、

出向いた先の利益を考えないでいると

自由な経済活動に直ぐに制限が加えられた時代であったことも

影響していたのであろう。

 

 4 - 生活・志事(仕事)の中での実践

 

今回、経営指導員の方との対話や、三方よしの原点を振り返る中で、

  「私利を貪ること勿れ」

という言葉がこころの中でこだました。


周りから押し上げられる企業が、真に繁栄と永続を手にすることを

日本の商人の歴史からも改めて学ばせていただいた。


その学びは、単に企業経営だけに生かせるものではない。

組織のリーダーや一個人が周りとの信頼関係を

いかに育むかという点でも活用できるのは間違いがないところだ。


  「俺が!俺が!」

 

と言った様な自我・自説・自欲にとらわれず、

 

  「相手の立場だったらどうか? 

   果たしてこれで社会のためになっているだろうか?」

 

と日々自分に問い掛けることの大切さを実感したのである。


商売は金儲けの手段(だけ)ではなく、

部下は昇進のための道具でもないことは明白なことだから。


あなたご自身は何を感じ、何に取り組んでおられますか?

 

 5 - 毎日の言葉

 

「儲けるは欲、儲かるは道」


「商売は笑売」


「私利を貪ること勿れ」


「商売は金儲けの手段ではなく、部下は昇進のための道具でもない」

 

 6 - 自分を見つめる問い掛け

     

    1) あなたは自分の視点だけで、
      ものごとを判断しがちになる時はどのようなことでしょうか?

     

    2)あなたは金儲けと商売の違いは、
      どのようにイメージされておられますか?

     

 

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