先日、あるメーカーのマネージャー研修を終え、
受講生と懇親会で話をしていた時のことである。
「今日は、往復ビンタをくらったような感じでした」
と、ある方が話された。
「リーダーとして、自らが取り組むセルフマネジメントの大切さが
身に沁(し)みました。
(相手を)『変える』のではなく、(自らが)『変わる』、
このことを一番学ばせてもらった感じがします。
部下の管理の前に、自らの健康管理ひとつをとってみても、
しみじみできていないと想いました。
これまで何度となく禁煙を決意したのです。
が、なかなかタバコをやめられませんでした。
体型も『年のせいだから』と自分を甘やかし、
肥満体型で完全なメタボリックシンドロームに陥っていました。
今回の研修で、自分のどこがズレていたのか
改めて実感できたのです。
――“身体のセルフマネジメント”という表側に
(往復ビンタの往きで)単なる刺激をもらっただけではありません。
“こころのセルフマネジメント”という裏側にこそ
(往復ビンタの戻りで)、目が覚める様な一発をもらえました。
知らず知らずのうちに、こころに変な寝癖がついていたのですね。
そのことが原因で、自分の身体のことは元より
業績や部下のマネジメントをはじめ全てが今一歩だったと
今はっきりと感じることができます。
ここに気付けた喜びは、大きいです」
と、感慨深げに話されたのである。
セルフマネジメントという話で考える機会を得た私は、
尊敬するある人物が脳裏に浮かんだ。
それは、マネジメントという概念を世界で始めて提唱し、
マネジメントの父と呼ばれるP.F.ドラッカーである。
今回のやりとりを想い出す中で、次のような一節が蘇ってきた。
「他の人間をマネジメントできるなどということは、
証明されていない。
しかし自らをマネジメントすることは常に可能である。
そもそも自分をマネジメントできない者が、
部下や同僚をマネジメントできるはずがない。
他の人間をマネジメントすることは
自分が模範となることによって行うことができる。
自分の仕事で業績をあげられない者は、
悪しき手本となるだけである
(著書:経営者の条件 前書きより抜粋)」
このセルマネジメントというテーマを意識する場合、
いつも真っ先に浮かぶのは、次にあげる
“3つのこころの病”
のことだ。
これを意識することで、常に原点に戻ることができるので
私自身にも言い聞かす意味でご紹介したい。
それは、つもり病、ぐらい病、ぱなし病だ。
つもり病は、仕事に取り掛かる前段階で発症し、
「やっているつもり」「話したつもり」「健康なつもり」等々だ。
ぐらい病は、仕事に取り組む中で発症し、
「これぐらいいいだろう」「ちょっとぐらい許してもらえるにちがいない」
等がある。
ぱなし病は、仕事の終わりに近づいて発症し、
「やりっぱなし」「言いっぱなし」「散らかしっぱなし」等があげられる。
身体の生活習慣病は表層のことであり、
病気や体重の増加、体型の変化、運動能力の低下等、
目に見えてわかる。
しかし、別次元で存在する“こころの生活習慣病”というものは
潜伏していて、根源的なものに関わらず
意外と見落としがちなのかもしれない。
自分のこころに知らず知らずのうちに巣くっている、
このこころの病に自らが気付き、
“ものの見方・考え方・捉え方”
に違いを生み出すことの大切さを実感させていただく
素晴らしい出来事であった。
あなたご自身は何を感じ、何に取り組んでおられますか?
「(相手を)『変える』のではなく、(自らが)『変わる』」
「こころのセルフマネジメント」
「他の人間をマネジメントすることは
自分が模範となることによって行う」
「3つのこころの病:つもり病、ぐらい病、ぱなし病」
「深層にある“こころの生活習慣病”」
「“ものの見方・考え方・捉え方”に違いを生み出す」
1) あなたは“こころの生活習慣病”にかかっておられませんか?
2) あなたにとって、“こころの寝癖”とは、
どのようなものが浮かんでこられますか?
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