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ある会社の会長職の方と、事業課題や人材育成について意見を交わす機会をいただいた。
この会社は、地元でも知らない方がいないくらい知名度も人気も高く、優良企業として社名が通っている。ISOはもちろんのこと、数々の経営に関する認定や賞を得ておられることでも知られている。
この素晴らしい組織を築きあげられたトップが、いま何を想い、何に取り組もうとされているのか、強く興味を惹かれる時間であったのは間違いがない。
私は会長の話の中から繰り出される鋭い切り口や、本質的に流れるものの見方・捉え方に釘付けになった。
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「いま、わが社の大きな課題は、小さなミスが繰り返し起こっていることです。改善のスピードが遅く、歯止めがまだまだ掛かっていません。
外部の方からはいい会社だと過分なお褒めの言葉もいただいております。
表面的に見れば、もちろん明日あさって困るような企業ではありません。
しかし、内側から社内を見渡すと、当たり前のことが当たり前に実行されず放ったらかし。仕事の基本が疎かになり、大事なことが後回し。
問題が発生していても、現場が即断・即決・即実践につながっていかない。
この様な基本の乱れや対応の遅れに、いま非常に頭を痛めているのです」
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と。

今回のお話を通じて、高い次元にまで登りつめられた組織の長が大切にしている視点は何であるのか、研ぎ澄まされた感性から痛いほど目に飛び込んで来るものは何であるかを、お話が進むにつれて私には心から納得できたように感じたのである。
意見を交わした会長は、気付いた課題をとにかく早くやり切ろうとされる圧倒的なスピード感をお持ちであった。
この感覚が生まれてくる背景には、問題意識といった様な次元ではない研ぎ澄まされた危機感・危機意識があるのは間違いがない。
一流のリーダーは、決して難しいことや大きなテーマだけに目がいっているのではない。
むしろ身近にある小さな課題をいかにスピードをあげて確実に成し遂げるかという点に意識が高いということに改めて気付いたのである。

小さなことを放置せず、素早く対応するというテーマについて意識が深まった私に、ジョージ・ケリングの「割れ窓理論」のことが蘇ってきた。
たった一つの割れた窓を放置していると、その他の窓もそう時間が掛からず全て割られてしまうというものだ。
軽犯罪を放置する様な無秩序が、凶悪犯罪を生むという考えである。凶悪犯罪が頻発するニューヨークを、安全で住みやすい都市に変えたジュリアーニ市長の90年代の取り組みは有名である。
一つひとつは小さな事かもしれないが、そこに素早く対応しないで傷口を広げ取り返しのつかないことはよく目にするものだ。
仕事や生活の中で目にする“引っ込みじあん・放ったらかし・引き伸ばし”が、私にさらに際立って見えてきた瞬間だった。

この3つのH(頭文字がHで始まる先程の三つの言葉)にどのように歯止めを掛けることができるだろうか。現場での私自身の取り組みの中で、
1.関心をもつ(小さい事に対する無関心の撲滅)
2.決着をつける(対応策への熱意と具体的実践)
3.期限を決める(素早い取り組み)
という3Kが効果的だと感じた。
冒頭の会社もただ単にインフラ(社会の基盤整備)事業を展開しているから、知名度が高まりこれだけの社会的な評価を得たのではない。
リーダーの危機意識を原点とした小をバカにしないスピード感ある取り組みがたゆまずあったからこそ、企業ブランドという大きな財産を手にできたのだと想う。
あなたご自身は何を感じ、何に取り組んでおられますか?

「鋭い切り口や、本質的に流れるものの見方・捉え方」
「研ぎ澄まされた危機感・危機意識」
「割れ窓理論 : 軽犯罪を放置する様な無秩序が、凶悪犯罪を生む」
「3H : 引っ込みじあん・放ったらかし・引き伸ばし」
「3K : 関心・決着・期限」

1. あなたの近くに“引っ込みじあん・放ったらかし・引き伸ばし”は、
ありませんか?
2. あなたはスピード感ある取り組みのために、何を工夫されておられますか?
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