経営者として会社の方針を明確にし、
幹部・社員をはじめ関係者に
一年の想いを浸透させる方針発表会。
私どもの会社でも毎年開催し、
十年目を超えた時にある転機を実感する出来事がありました。
社長である私の方針に対して、
それまでは別の角度から意見具申をする人間が少なかった、
いやほとんど無かった感じでした。
そのような社風の中、この年はある幹部が事前の幹部会議の席上で
「社長の方針がどうしても腹(腑ではなく)に落ちない」
「いいのだけど、心に響かない」
「社長が本当に実現したいことは何ですか」
と心情を吐露し始めたのです。
そして、その幹部の意見を聞いているうちに、
私自身、発表した方針の概要に熟慮不足を感じ、
話し方にも熱が入っていないことに気がついたのです。
その幹部の言葉は、他の幹部も感じている総意であり、
なにより私自身がうすうす感じていた物足りなさを、
ズバリと言い当てたのです。
と同時に、最初虚をつかれ驚きはしたものの、
その意見をじっくりと聴くと共に、
本音・本気・本心での意見具申(提案)に対して
当の幹部に感謝の意を自然と伝えていたのには
自分でも驚きました。
| 2 <経営者・リーダーとして、こころにしみたあの言葉> |
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ところが、その場に同席していた当時お世話になっていた
ある専門家からは、
「社長の方針に会議の席で異を唱えるような社員は感心しない。」
という思ってもみないアドバイス(もちろん、自分自身としては
その専門家の意見も判らなくはないが、今は状況が違うことは
わかっていました)。
後日、ある尊敬する経営者にその話をすると、
「いい社員がいるなぁ! 大事にしろよ!」
という励ましをもらったのです。
まさに我が意を得たりと感じると共に、
何でも言い合える風土を創って来たその芽が
確実に育って来ていることに言いようのない喜びを感じたのです。
そして、その会議の後、一ヶ月の間に真剣に考え、悩み、見直し、
また自己啓発の機会も得て、
改めて幹部会議で自分の実現したいことを話したところ、
その幹部社員が「腹に落ちました!」と言ってくれ、
本当によかったと実感しました。
組織のリーダーである経営者は、自分の意見に賛同をしてくれると
安心するのかもしれません。
しかし、そこには長いものには巻かれろといった迎合や、
事なかれ主義・前例主義がはびこる原因を作ってしまっていると
強く感じたのです。
異を唱える幹部がいるからこそ、多方面からのリスクや
環境変化にも、柔軟に対応できるのではないでしょうか。
社長が憲法(決まり)ではなく、“繁栄”こそが憲法であるという
真意を汲んで活躍してくれる幹部に、改めて感謝を伝えたい。
意見具申(提案)が多い会社にするために、
1)経営者がどのような意見をも受け止める度量と柔軟性を磨く
2)評価する前に意見提案にありがとうを伝える
3)リーダーがいつもベストであるとは限らないことを伝えておく
ことが大切であると、実感する素晴らしいご体験談でありました。
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